「単独親権制度のもとでも共同養育は可能であり、そういう方々は共同親権を求めて裁判などしていないのです。」
2021年01月31日
皆さんこんばんは、新宿区議会議員のよだかれんです。
昨年秋ごろから子どもの安全・安心を脅かす共同親権法制化に反対する活動に関わるようになり、そんな中でもわりと最近ふと気づいたことがあります。
離婚後も良好な関係を保ち、子どもの監護を共同で担っている皆さんも沢山いらっしゃるわけですが、そうした方々は共同親権法制化を求めて裁判を起こしたりしていないのですよね。
その必要がないからだよなぁとふと気づいたところで、膝を打ちたくなるような記述を発見して私は私の感覚を褒めたくなりました。
「離婚後の共同親権とは何か~子どもの視点から考える~」(日本評論社)の中の、渡辺義弘弁護士の記述部分です。
ハーバード大学のフランク・E・A・サンダー教授という方が、共同で監護を行うことを可能にするには以下3つの条件をあげているそうです。
①両親それぞれが監護権を持つのに的確な親である必要がある。親に欠格事由のあるところでは、この実験は出来ない
②両親の間に充分な意思の疎通があること
③両親が子育てについて共通の価値観をもっていることが必要である
渡辺弁護士は続けます。
「この類型の人々が一致して国に対して共同親権・共同監護の立法化を求めるのであれば、その切実さが、まさに立法事実となる。ところが、このような父母の、共同監護・共同親権を国に求める運動を、筆者は見聞きしたことがない」
おぉ~‼
やはりそうなのです。立法事実がない。
腑に落ちました。
共同親権法制化を求める人々の街宣の様子など動画で拝見しても、子どもに会えないのは単独親権のせいだという主張なのですが、単独親権でも円滑な面会交流が実施され、共同監護を行っている方々は数多くいらっしゃるのです。会えないとしたら、それは単独親権制度だからではなく、別に事情があるのです。
上記3つの条件を満たしていないから共同で監護が出来ず、また、原則面会交流実施となっている(これが大問題なのですが、それはまた別の機会に)家庭裁判所ですらも面会交流を実施しない方が子どもの利益・健全な成長に資すると判断されているから面会交流が認められないということではないでしょうか。
そのような状況のご家庭で共同親権が法制化されてしまえば、毎度書いているように、居所・進路・医療選択等の重要事項を決定するたびに争いが生じ、審判や調停が必要となって適時適切な決定がなされず子の不利益となり、また、例えばDV被害者であれば永続的に加害者の支配下に置かれてしまうこととなります。
共同親権というのは、導入の必要性は乏しく、予想される弊害は非常に大きい。
共同親権法制化の議論が国においてなされていることはまだまだ知られていないし、その危険性もまだまだ知られていません。
多くの方に知って頂きたい大きな問題です。
そんなことを一所懸命考えているときにふと鏡に映る私を見ると、凄い恰好でした‼(゚o゚;
恰好なんて構っていられません。
昨夜も深夜までzoomで話し合いでしたし、ますます、活動に邁進して参ります。