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ブログ&活動報告

「コラボ攻撃と、府中青年の家事件。」

2023年04月02日

※カナダにインクルーシヴ教育を学ぶために1週間滞在していた関係で、投稿が遅れました。1週間以上前の状況で書いたものなのでタイムラグ感が否めないかもですがご容赦ください※

昨年の秋、新宿区長選の際にご紹介いただいて、仁藤夢乃さんとお引き合わせ頂きました。

夢乃さんは一般社団法人「Colabo(コラボ)」を率い、歌舞伎町ど真ん中・新宿区役所駐車場にて可愛らしいピンクのバスを設置して、若年女性支援活動を行っています。

真夜中の歌舞伎町にアウトリーチへと飛び出して多くの少女たちに寄り添っています。

そんな彼女たちの活動を、現場に押し寄せて妨害する男性たちが存在します。公金を不正に着服しているという主張がなされたものの、監査の結果不正は確認されなかった。

にもかかわらず、現場に複数の男性が押し寄せて

「おい!!仁藤夢乃!!出て来い!!公金返せ!!」

と叫ぶさまは本当に恐ろしく、歌舞伎町で支援を求める女性たちは怖くて近寄ることが出来ません。裁判所による接近禁止命令が出されている者まで存在します。

何度かお手伝いに参加させて頂き、この目で直接その様子を確認しています。

3月22日には遂に安全が担保されないとして、事業主体である東京都が当日の活動を中止決定したため、都庁前での抗議活動にも参加いたしました。

妨害に屈して活動中止することは妨害者たちを大いに喜ばせることとなるため、警察も協力してくれる体制だったとお聞きしていますし、都は臭い物にふたをする様に中止するのではなく、彼女たちを守って実施するべきだったと私は思います。

都庁を見上げながら、私は『府中青年の家事件』を思い出していました。

性的少数者の人権が世に問われるようになった最初の判例と言われている事件です。約30年前、東京都の施設「府中青年の家」を利用していた性的少数者の権利運動を行っているグループが、ほかの利用者からからかわれたり嫌がらせを受けたところ、

なんと東京都は、加害者側ではなく、被害者側を「都民のコンセンサスを得られていない同性愛者の施設利用は今後お断りする」として以後の利用を拒否したのです。当事者の皆さんが負けずに裁判を起こし、高裁で勝訴確定となりましたが、どれほどの困難だっただろうかと胸が苦しくなります。

今回の事件も、東京都は被害者側であるコラボに活動を中止させる決定をしてしまった。

本来は行政がやるべき事業を民間団体が担ってくれているわけで、実際に多くの女性たちが支援につながることが出来ているのですから

、混乱が予想される中であっても勇気ある決断をして頂きたかったです。

ましてや、『府中青年の家事件』の教訓もあるわけですから、被害者側を二重に苦しめるようなことはしないで頂きたい。

「私たちの事業を担ってくださっている皆さんに対し、妨害しないよう要望します。」

小池都知事がそんな一言を発してくれたらコラボの皆さんや、学校や家庭や社会の中で行き場を失っている少女たちをどれほど励ますことになったでしょう。

今年度にあと一日、活動が予定されています。東京都の英断を期待します。
※結果、最後の活動も中止とされてしまったとのこと。都の判断がとても残念です※

そしてこの都への抗議活動中、私の存在に気が付いた妨害者の中のお一人がこんなことを叫びました。

「おいフェミニスト!!トランスジェンダーが女風呂に入ってくるぞ!!お前らもっと怒れよ!!フェミニスト!!ほら怒れよ!!」

・・・LGBT差別禁止法の実現が視野に入ってから、ネット上でのこの手のデマや誹謗中傷が激化しており、私は

「女性の味方を装った勢力が、女性とトランスジェンダーの分断と対立を煽って、デマ・誹謗中傷を繰り広げている。惑わされず、連帯してジェンダー平等社会を生み出して参りましょう」

と訴えておりますが、まさに我が意を得たりの思いでした。

コラボをはじめとする女性支援団体が攻撃されていることと、トランスジェンダーが攻撃されていることの根っこは同じだと私は思います。日本が貧しくなり、弱いものがさらに弱いものを叩く状況になっているのではないでしょうか。

私は最近『弱者男性』という言葉を知りました。生産性や強さなどいわゆる“男らしさ”を求められる社会の中で居場所を失い、生きずらさを抱えている男性ということになりましょうか。

私たちを攻撃している男性の多くは、弱者男性なのではと、コラボに口角泡を飛ばして口撃する男性たちを目の当たりにして感じました。

女性も、『弱者男性』も、トランスジェンダーを始めとする性的少数者も、障害を抱える人々も、誰もがお互いに敬意を払い、連帯して心地よく暮らせる社会を生み出したいです。

かなり遅れてしまいましたが、3/22に都庁前抗議行動に参加しての思いを書き綴りました。
帰国直前、バンクーバー国際空港にて。

 

 

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