「トランプの恐怖と選択的夫婦別姓」
2025年09月10日

昨夜(9/9)は2本続けてオンライン勉強会。
1本目は、パリテアカデミー 恩師 三浦まり 上智大学教授 による 【アメリカの反DEI攻勢と女性たちの抵抗】。
トランプ政権下で標的にされ続けるハーバード大学。まさにその現場での1年間の研究を終えて帰国された、三浦まり教授の渾身のレポートを背筋が凍る思いでお聞きしました。
2023年ごろから、反トランス法案が保守派のアピールとして提出され続けていたものの、バイデン政権下ではほとんど成立しなかった。が、トランプの反DEI政策によって次々と成立するようになっているというデータは、まさに恐怖映像のようでした。
これまで取り入れられてきたパスポートや公文書等における多様な性の表記は消し去られ、スポーツや軍隊などあらゆる場面から トランスジェンダー が排除され始めており、この流れは確実に日本にも襲い掛かって来る。
心ある人々と連携を強化し、跳ね返す体制を整えなければ。
それにつけても、大学の補助金などを通じて、お金で締め上げて思想統制がはかられているアメリカの現状、日本も他人ごとでなくゾッとします・・。
気を取り直して!続いて2本目は、
【初心者でもサクサク書ける!第6次男女共同参画基本計画素案のポイントとパブリックコメントの書き方講座 選択的夫婦別姓編】。
今回の素案の中では、恐るべきことに国連の女性差別撤廃委員会から昨秋一番目に勧告された『選択的夫婦別姓を実現する』という言葉が出てこない、
それどころか 選択的夫婦別姓 ・選択的夫婦別氏制度 という単語すら見当たらないのです。
5年前の素案では『選択的夫婦別氏制度の導入に関し、国会に おける議論の動向を注視しながら検討を進める』とあったわけですから、意図的に“消された”のです。
まさに1本目の三浦まり教授のお話に通ずるバックラッシュ。
9/9に開催されたという公聴会でも、
「選択的夫婦別姓反対」「働く女性の支援ばかり。家庭に入り育児に専念したい女性のための専業主婦支援を増やすべき」「クオータ制や女性専用車両は男性差別」
という信じられない意見が読み上げられていたそうで・・・女性を支配下に置いておきたい・家に閉じ込めておきたい男性たちがうごめくサマが目に浮かびます。
『選択的夫婦別姓』の代わりに強調されているのが、『引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り組む』という驚きの一文です。
国会でも散々に明らかにされているように、旧姓の通称使用拡大では不便・不利益・人権侵害は解消されず、それどころか社会に無用な混乱を引き起こすだけ。
もはや日本政府は、女性差別撤廃条約に従う意思がないということなのです。
凄くないですか?トランプもびっくりの、堂々の条約違反。
罰則はなくとも、こんな態度で憲法前文に掲げているような『国際社会において名誉ある地位を占める』ことが出来るわけがないのです(ꐦ°᷄д°᷅)
自分たちが条約・ルールを守ってこそ、従わない他国に対して物申せるわけです。
こうなったら、パブリックコメントを送って思いを伝えましょう!ということで開催された勉強会だったわけです。
毎度ながら、一般社団法人あすには 代表理事の #井田奈穂 さんのパワフルで明快でユーモアたっぷりのトーク、脱帽です<(_ _)>
もちろん一国民としてパブコメを送りますし、これまでもずっと公約に掲げて立候補して参りましたように、なんとしても国会に身を置いて、選択的夫婦別姓実現に尽力いたします。
夫婦同氏にしたい人は、そういう相手を見つけて、自分たちがそうすれば良いだけなのです。
なぜ他人の人生の邪魔をするのでしょう?なぜ他人の尊厳を踏みにじるのでしょう?
DV加害者が加害を始めるきっかけのひとつに、夫婦同氏があるのだそうです。
「結婚して相手が自分の姓になったとき、恋人が自分のものになったと感じた。自分のものだから言うことを聞いて当たり前、言うことを聞かなかったら殴って当たり前」
と、どんどんエスカレートするのだと。
加害者更生プログラムを提供している団体運営者さんの勉強会でこのお話を聞いて、心から衝撃を受けました。もちろん全員ではないけれど、そういう人も生み出しているわけです。
そして私は思うのです。
これって本当は男性たちの問題ではないですか?
男性諸君。96%ものカップルが女性に姓を変えさせていて、なんとも思わないの?
これまでは仕方なかったかもしれない。でも、女性たちが勇気を出して声を上げているのですから。
一度、振り返って考えてみて欲しい。
一度、お連れ合いに聞いてみて欲しい。
本当は嫌じゃなかった?手続き大変だった?この問題どう思う?
そしてその上で、女性だけでなく男性も、あなたも、思い切って声を届けて欲しい↓
「第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」についての意見募集