「国連が『家父長的』と指摘!:家族とその法律から日本を考える」
2025年09月27日

【2025.09.27 の学び2-2】
主催:日本を外から学ぶ学習会
@オンライン
「国連が『家父長的』と指摘!:家族とその法律から日本を考える」
講師:石井眞紀子 弁護士
(主催者講座説明)
2024年10月に日本政府は国連女性差別撤廃委員会による審査を受けましたが、その時委員からは「日本に根深く残る家父長的な固定観念」がたびたび指摘されました。
日本のどのような制度や法律が、国際社会からみて問題とうつったのでしょうか。日本の家族法は他国と比較するとどうなのでしょうか。
また、今年1月にはハンガリーで元夫による家庭内暴力(DV)の被害を受けていた日本人女性が殺害されるという事件が起きましたが、ここにはどのような日本の法律や制度の問題があるのでしょうか。
昨年国会で成立した「共同親権」との関係は?
長年女性の権利の問題に取り組み、昨年の女性差別撤廃委員会の審査でも活躍された石井弁護士がひも解いてくれます。
(講演を受けての私なりの解釈)
・300名以上が参加!イギリスを拠点に活動する,主催メンバーのお一人 藤田早苗 さんの人気!
(私もあちこちでお勧めしまくっている #武器としての国際人権 著者)
・講師の石井弁護士も温和で明るいお話しぶりが素敵☆
・女性弁護士は全体の2割程度しかいないそうで、女性支援にかかわる活動が多いからか周りは女性弁護士ばかりの私としてはビックリ!
・最初に、わかっているようで意外と分かっていないかも知れないDVについての丁寧にご説明。
DV・暴力の本質というのは、暴力自体ではなく、『支配とコントロール』。
まだまだ知られていないので、しつこく世に広める必要がある。
これは性売買が暴力という言われる所以かも知れない。
性売買の本質は『支配とコントロール』であり、つまり暴力なのだ。
閑話休題。
DVはジェンダーに基づく暴力で、家父長的価値観や性別間格差などによって生まれている。
日本ではそこをベースに、家からおんな子どもを逃すまいという主に別居父親や伝統的家族観を重視する政治家等の強力な共同親権推進運動が展開され、
DVが家庭裁判所や社会の中で軽視され、支援制度も整っていない状況で導入されてしまった。
主に女性が訴える選択的夫婦別姓はかたくなに何十年も導入を拒むのに、男性主導の共同親権はあっという間に導入。まさに男性優位社会と言わざるを得ない。
今年初めにハンガリーで起きた日本人女性殺人事件では。
日本でもたびたび起こっているように、警察がDVを訴える被害者を保護しなかったこと、
ハンガリー国内で保護してもらえないならと日本へ帰国しようと日本大使館へ駈け込んでも、DV案件でイレギュラー対応が可能だったにもかかわらず、「共同親権で父親の同意が必要」として子どものパスポートの再発行をしなかったために出国出来なかったこと、
などが原因で被害者は命を奪われてしまった。
過酷な状況に置かれて生きてゆく子どもたちを思うと怒りに震える。
世界で、日本で。DVが軽視されず、加害者が適切に罰せられ、被害者が適切な保護や支援が受けられるようにしなければ。
本日の学びも糧として、引き続きジェンダー平等のために活動し、性別にかかわらず存分に人生を謳歌できる社会を目指して参ります。