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「バンクーバー・インクルーシヴ教育スタディツアー4/6日目~ウエストバンクーバー・メモリアル図書館で、まさかの涙~」

2023年04月06日

2023年3月29日、ツアーもいよいよ4日目です。

午前中はツアーはお休み。現地で公務員として活躍している日本人で、大切なお姉様であるYさんにホームレス支援なども行うコミュニティ・センターであるGATHERING PLACEを案内して頂きました。

ホテルからどこにでも歩いて行けちゃうコンパクト・ダウンタウンですから、気持ちよくお散歩がてら施設へ向かいます。

いたるところに、こうして誰でも安心していられるんだよととメッセージがあり感動します。

GATHERING PLACE

こちらがGATHERING PLACE。やや高級エリアであるイェールタウンにほど近いため、こうしたホームレス支援も行う施設に反対する人々もいたけれど、学校でお聞きしたのと同じように、行政がぶれずに、なぜこの施設が必要なのかを住民にしっかりと説明を重ねて開設され運営されています。

ホームレス支援を行うことが、結局住民の安心安全に繋がるのです。


(ここでも性的少数者もウェルカムだといたるところに掲示がなされていました)

朝の10時という時間帯にもかかわらずすでにたくさんの利用者がいて、決して物見遊山気分で訪れてよい場所ではないことが伝わってきます。

食料支援、シャワーや洗濯だけでなく、勉強や交流、そして住居や就職情報等々様々な提供が行われます。

気温が0度を下回る季節は夜間も開放されて暖を取れるエリアもあります。


(ここにもレインボースマイル。性的指向や性自認をカミングアウトできず、行政の支援からこぼれ落ちてしまうということは回避されやすくなると思います。)

 

ここにも、どこにでも。LGBT支援センターでもないのに・・・感動(T ^ T)。

求人案内掲示板前にてレクを受けている様子。日本からカナダに渡ってこうした職業で活躍している方がいらっしゃることにも感動します。Yさん、かっこよすぎます‼

清潔に処理された衣料品も受け取れますし、

自分の衣類を洗濯する(してもらう)ことも出来ます。

ジムもありました!

眼鏡を提供してもらえるのも素晴らしいです!

「パブリック」という映画で、知能・精神に問題があると思われていたけれど、実はたんに目が見えていなかっただけで、眼鏡をかけたことで人生が劇的に変化する・・というような人物が描かれていたような気がするのですが(あいまいな記憶ですみません)、

それだけ適正な視力で生活するということは大切なのでしょう。

こちらのチラシにも胸が熱くなりました。

FREE DINNERS FOR WOMEN AND FEMININE IDENTIFING PEOPLE!

女性と性自認が女性の皆さん!フェミニン・アイデンティファイニング・ピープルって表現素敵♡

更に。あちらこちらとご案内して頂いているうちにトイレに行きたくなって探したところ・・・ジャーーーーン♡

Gender Diverse People Welcom・・・男女共同参画センターとかじゃないんですよ、一コミュニティ・センターですよ⁈

手術をして法律上も女性になっていても、あなたは身体男性(こう呼ぶ時点で差別的だし悪意しか感じません)だから女性トイレやお風呂に入ってくるなと誹謗中傷にさらされる現在の日本(ほんの一部の人だけですが)と比べていかがでしょう。

泣いていいですか(T ^ T)
バンクーバー最高‼

中もこんなにキレイで、足から病気になるからと足を洗うスペースまで備えられています。

ドラッグの注射針をゴミ箱に捨てられると職員やごみ収集の方々が危険なので、敢えて注射針用のゴミ箱も。この施設のすぐそばでは、段階的に中毒から抜け出せるよう、行政が管理してドラッッグを計画的に打ってくれる施設まであるそうです。

これもまた賛否両論あると思いますが、巡り巡って住民の安心安全に繋がるという行政の信念によって運営されいるのでしょう。

調理室では美味しそうなサンドウィッチを調理中でした。

当センターを利用していたホームレスの方で、ボランティアスタッフになったり中には職員になる方もいるそうです。

明るくておしゃれなカフェテリア!だれでも利用できる上に安くて美味しいのだそうです!

分類スペースにこんなに素敵な絵が飾ってあって思わずパチリ☆

テラスもこんなに開放的でお洒落。これでも殺風景な方で、夏にはお花や家庭菜園でさらに素敵になるのだとか!

車いすの方も安心です。実際車いすユーザーさんもいらっしゃいましたね。

困っている人にどれだけ寄り添えるかが、その国の温かさや成熟度、真の豊かさが現れるような気がします。

日本は自己責任論が根強く残念な状況ですが、それだけ伸びしろがあるということでもあります。歪んだ政策・税制を改め、困った人々に寄り添う社会、何度でもやり直せる社会にしてまいりましょう‼

だって、明日は我が身です。自分が生活困窮に陥ったりホームレスになったとしても安心していられたり、やり直したいと思えばやり直せる社会にしておいた方が安心です。

そんなことを考えながらGATHERING PLACEを後にして街を歩いていると、「Give me mony!Give me mony!」と泣き叫びながら彷徨う中高年女性に遭遇しました。

支援施設や制度があっても、そこにたどり着けない・利用したがらない人もいる。

視察に訪れた学校の校長先生が生徒の支援について「It’s never enough」と仰っていましたが、生活困窮者支援についても同じことが言えるのかも知れません。

忘れられないシーンとなりました。

スタンレーパークとイングリッシュ・ベイ

その後、午後の研修までに少し時間があったのでスタンレーパークへ連れて行っていただきました。

ダウンタウンから歩いてこられる距離に日比谷公園の25倍という広大な公園があるのです。

ばえるーーーーッ٩(ˊᗜˋ*)و

これまでの報告ブログでたびたび記述しているように、カナダは先住民を迫害した歴史を有します。この地は先住民からお借りしているという認識でスピーチなどの前に必ずその旨を表す枕詞を付し、過去と向き合い未来を創造している。

日本もあやかりたい姿勢です。

Yさんとの一枚ですが、なんか凄いパワーを感じませんか?

対岸のノースバンクーバー。

ツアー中ずっと、この時期には珍しいという晴天続きの日々で幸運でした。

地元では有名な映えスポットで、ウェディング・フォトを撮影する光景が良く見られるらしいです。地元に住む方の案内は本当にありがたいです。

「ここが私のアナザースカイ、バンクーバーです!」って感じですね。いつか実現したらいいなぁ~♡

後ろに見えているのはカナダプレイス。1986年のカナダ万博の際に建設された複合施設だそう。

こちらはサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジを参考に作られたというライオン・ゲート・ブリッジ。ダウンタウンとノースバンクーバーをつないでいます。

イングリッシュ・ベイに移動してランチ。ダウンタウンにビーチがあるなんて素敵!

5という数字見えますか?時間がないので5ドルのホットドック‼

ビーチでホットドッグ!香ばしくて最高に美味しかったです٩(ˊᗜˋ*)و
忘れられない美味しさ~♡

ビーチのそばになんだかよく分からない銅像の軍団が(笑)
怖いような可愛いような・・・とりあえず顔真似と、

同じポーズでパチリ☆

ウエストバンクーバー・メモリアル図書館へ

公園とビーチで気分爽快、気持ちを切り替えて午後は研修です。皆さんとバスで移動すべくバス停に並んでいると、地元の車いすユーザーさんがいろいろとお話して下さいました。

ワンちゃんはペットではなくサポート・ドッグだそうで、身の回りのお世話をしてくれるのだそう。

バスが混んでいて、運転手さんが車いす2台(私たちの)は無理だから次のバスに乗るよう言うと、懸命に「何言ってるの、詰めれば全然乗れるでしょう!乗せてあげなさい!!」と一生懸命言ってくださいました。

お会いできてうれしかったです!ありがとうございましたーーーッ(≧∇≦*)

さて、実は昨日も後半は同じ会場で研修だったのです。またまたやって来ました、ウエストバンクーバー・メモリアル図書館!

もう何もかもがお洒落。

先ずは当館ライブラリアン(図書館司書に当たると思うのですが、日本よりもかなり広範な裁量とパワーをお持ちのようです)さんが説明と館内案内をしてくださいました。

ライブラリアンの役割は、本について教えるだけでなく、いかに地域・コミュニティに貢献できるか。本が好きというより人が好きなのがライブラリアンだというようなお話が印象的です。

子どもも大人も、人種や障がいの有無やセクシュアリティも関係なく誰もが利用できなければいけない。驚きがスパークし、可能性が生まれ、心が躍る場所でなくてはいけない。そんな思いで図書館を運営していらっしゃいます。

図書館はお静かに?ここではNO!子どもたちが大はしゃぎできる場所であり、子どもたちの放課後の居場所であり、

飲食しながら読書してくつろげる場所。写真は撮れなかったけれど10代の子たちが運営し、10代の子しか立ち入れないエリアもあります。

目が不自由でもオーディオBOOK!

読みづらさがあれば文字が大きい書籍もたっぷり用意!

外国書籍も充実していて、日本語の本もこんなに!

読みやすい環境も人それぞれだから、こんな感じで集中出来たり、

こんなスタイルでも。

館内のあちらこちらにくつろげるソファも。

驚きの連続で、バンクーバーでは図書館もダイバーシティ&インクルージョンであると実感いたしました。

そして極め付きはこれ‼

何だと思います?
そう、トイレーーーーッ‼

知らずにトイレに行こうとして、扉を見てビックリ&感涙(T ^ T)

TRANS PEOPLE WELCOME

・・・日本では、しつこいようですが、一部の人々が「トランスジェンダーが性自認に基づいてトイレを利用すると性犯罪が増える」とか、「性別適合手術を受けていても関係ない、身体男性だから女性用トイレやお風呂に入ってきてはいけない」など非常に排外主義的主張を繰り広げています。

まさにインクルーシヴとは正反対のイクスクルーシヴ。

私はセクシュアル・マイノリティの問題とインクルーシヴ教育とが結びついておらず、あくまでも、障がいを有する子どもも地域の学校に通えるようになってインクルーシヴ教育が進むことがインクルーシヴ社会誕生につながる、そのためのヒントを学ぼう、という気持ちでカナダにやって参りました。

木村英子参院議員から託されてツアーに参加しているので、余計その思いが強かったのだと思います。

ところが、図書館、学校、ホームレス支援施設、街のウインドウ、駅等々、ゆく先々でLGBTQに対してウェルカムであることがアピールされる環境に身を置くことで、LGBTQが『排除される可能性のある人々に資源や機会への公正なアクセスを提供する』というインクルーシヴ教育の対象の、まさに当事者であることに気が付かされることとなった。

衝撃でした。私も、当事者だったのです。

「え?今さら何を言っているの?」と思われるのかも知れないのですが、恥ずかしながら私にはその自覚がありませんでした。

カナダで、EVERYONE IS WELCOME だよ、TRANS PEOPLE WELCOMEだよ、Gender Diverse People Welcomだよとアピールされることで、自分が『排除される可能性のある人々』の一人だと気が付き、日本でのトランスジェンダーへの誹謗中傷は、つまり社会から・日本から排除されようとしているのだと認識するにいたったのです。

衝撃でした。

そして、ウエルカムだよと言われることがどれほど安心感を与えてくれるものかということに気が付きました。私自身も、ウエルカミングでありたいと思うようになりました。

加藤真理さん研修「英語が話せるその先へ」

そんな思いが強くなったタイミングで、FOCUS EDUCATION SERVICES代表、カナダの地で多くの留学生の英語教育に携わっていらっしゃる加藤真理さんの研修が始まりました。

タイトルは「英語が話せるその先に」。

そしてグループワークの後に、そのグループを代表して簡単な自己紹介スピーチをすることとなりました。

そこで、ちいさな奇跡が起きました。頭の先まで、喉元まで思いが溢れんばかりに溜まっていたのでしょう。上述した衝撃・気づきが口から溢れてしまったのです。

現段階の英語力のレベルが皆様に知られてしまい本当にお恥ずかしいのですが、それでも是非皆さんにもご覧いただきたいと思います。

話しているうちに、私は日本でとても傷ついていたのだと気が付きました。そして思いがけず涙があふれてしまった。

でも、英語でも思いが伝わって、真理さんにもXさんにもハグして頂けて、真理さんに多くの人々にこういう風に英語を話せるようになって欲しいと言って頂けた。

私の人生における大きなターニングポイントになりそうな予感がしています。

Diversity Rocks!  Karen Rocks!

加藤真理さん、ありがとうございました!
英語が話せるその先の世界を目指します!

今日も充実した研修の後、皆さんとウエストバンクーバーの美しい夕陽を満喫しました。

車いすをサポートさせて頂き、

線路の隙間に車輪を取られる怖さも体感させて頂きました。

 

一緒にお食事をしたりして、まだなにも分かっていないけれど、英子さんが「皆と一緒に過ごして何かを感じて欲しい」と仰っていたのはこういうことかなと、美しい夕陽の中で感じました。

研修4日目、人生の中でも忘れられない一日が終わりました。

本日も長い長い報告ブログをお読み頂きありがとうございました。