「共同親権についての院内集会に参加して~ハンガリー邦人女性殺害事件を受けて~」
2025年04月17日

昨日、ハンガリー邦人女性殺害事件を受けて開催された、共同親権の問題点について学びを深める院内集会に参加して参りました。
ハンガリー邦人女性殺害事件とは、本年1月、ハンガリーにて日本人女性が元夫のアイルランド人に殺害された事件です。当初は寝たばこによる失火が原因とされていました。
しかし、その後友人・支援団体の訴えにより、被害者が喫煙者ではなかったことや現地警察が本人からのDV相談に適切に対応してこなかったことが明らかになり、再捜査によって元夫に殺害されたことが判明したのです。
更に、実は被害者は2022年にDVを理由としてその方と子どもで日本に帰国避難していたにもかかわらず、DVが認められず・あるいは軽視されて、ハーグ条約に従ってハンガリーに引き戻された方だったということ、日本大使館に子どもを連れて日本に帰りたい・パスポートを発行して欲しいと相談していたにもかかわらず、適切に対応してもらえずに今回の事件につながった、という衝撃の事実が明らかになったのでした。
ハーグ条約は、本来は主たる監護者でない者(主に男性)が子どもを他国に連れ去ることを防止するためのものだったのが、ふたを開けてみれば、母親と子どもがDV等から逃れることを加害者側が防ぐ道具にされてしまっているのだそうです。
これは国連も問題視しており、改善を求めているとのこと。
日本国内でも暴力から逃れるために子どもと避難する母親の行為を「誘拐」と主張する人々が増加していて、昨年導入されてしまった共同親権制度を悪用して、母親(主に)と子どもがDV等から逃れることを加害者側が防ぐ道具にされ、今回の事件同様の命に係わる事件が多発する危険性が指摘されています。
これが世界的な潮流であることを学びました。
今回殺害されてしまった方のような、DVから逃れられず異国に閉じ込められている日本人女性やその子どもたちが、世界中に存在しているのです。
「安心して日本に帰っておいで!」
そう言える日本にしましょう。
(あまりにもヘビーな内容なので、ちび太郎ブレイク!ドテ~っと書斎の机を独占している姿も愛おしいデス♡)
そのためにもまず、外務省(日本中の家庭裁判所や日本人全体もそうですが)に意識を変えて頂く必要があります。
ハンガリーの現地警察は不適切な対応を認め、改善策を示していますが、日本の外務省は『DVの相談はなかった、対応は適切だった』として自らの非を認めていません。
しかし、子どものパスポートを元夫が取り上げていたのですが、もうそれ自体がDVといえるのではないでしょうか。
ですから、日本大使館職員はこのことをもってDV被害者であると認識し、パスポートを発行して邦人保護に努めなければいけなかったのではないでしょうか。命を守るためです。
非を認めなければどうして改善を図ることができるのでしょうか。
昨日の集会でも、ハーグ条約担当者は「子の連れ去り」という言葉を多用していました。普段は英語でTP(Taking Parent)としているので他意はなく使ったとの説明でしたが、その無意識こそが諸悪の根源になり得ると私は思います。
主たる監護者の多くが行っているのは「子連れ避難」「子連れ別居」であり、子の連れ去りではありません。この認識無くして適切な対応は取れないと思うのです。
身体的DVだけでなく、モラハラと呼ばれる精神的DV、経済的DV等多様なDVがあること、DVは犯罪であること。
共同親権下であっても、DVがあれば配偶者の同意なく大使館・外務省はパスポートを発行すべきであること。
DV加害者養成学校と評されるほど、ジェンダー不平等でDVの認識が甘いこの国ですが、あきらめずにDVについての認識を広めて、変えていきましょう。
道行く人を突然殴りつければ一回でも犯罪なのに、結婚することによって、それくらいで犯罪だなんて大袈裟だとされていませんか?本当は同じように犯罪なのに。結婚が犯罪の免罪符になっている。変えなきゃいけないですよね。許されませんよ。
集会では、外務省職員4名が最初から参加していて、主催者からここまでで結構ですと伝えられた後も最後まで登壇者のお話に耳を傾けていらっしゃいました。希望が感じられる出来事でした。私自身もますます学びを深めなければと、決意を改めたのでした。