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廃炉ってなんですか?〜原発事故を小さく見せる魔法の言葉〜

2025年09月27日

【2025.09.27の学び2-1】

廃炉ってなんですか?〜原発事故を小さく見せる魔法の言葉〜
主催:文明フォーラム@北多摩
講師:木野龍逸さん
@東京農工大学農学部キャンパス

講演の概要
来年3月で原発事故の発生から15年。

その間、福島第一原発は危機的な状況からは抜け出したが、事故処理作業がいつ終わるのか、見通しは立たない。

政府は2050年頃を目標に「廃炉」にすると説明しているものの、「廃炉」が何を意味するのかは明言を避けている。

「廃炉」を明言しないことで何が起きるのか。福島第一原発の事故処理作業はどうなっているのか。福島第一原発は、周辺地域はこれからどうすべきなのか。

原発事故の現状と影響についていま一度、考えてみたいと思います。(木野龍逸)

(私なりの学び)
最近盛んに「除染土を活用」「除染土ではイメージが悪いから復興再生土と呼ぼう」と報道されるが、その土はまごうことなき汚染土である。

事故前は1kgあたり100ベクレルとされていた再利用基準が、事故後は8000ベクレルまで引き上げられて汚染土の再利用の促進が図られているという恐怖は承知していたが、

そのルールはあくまでも福島第一原発事故におけるものであり、他の施設から出される汚染廃棄物については適用されないということを初めて知った。

放射性物質の拡散を防ぐため、これまで通りの基準で厳格に管理すべきである。

同じ汚染土なのに基準が異なるという恐怖。

経済的な合理性を優先させるもので、これは処理汚染水(トリチウム汚染水)の海への放出と同じ。 海洋放出以外にも、トリチウムの半減期である12.3年以上を待って放出するなど『他に選択肢がある』にも関わらず、予算抑制や復興イメージを創出するために行われている。

人体に与える影響は未知数だが、そのこととは別であっても、道義的・社会秩序維持・予防原則的観点から許されないものである。

0.9グラムの燃料デブリを試験的に取り出すことにも事故から13年もかかり、この先推定880万トンを取り出すことが本当に可能なのか。

デブリの取り出しのみならず、使用済み燃料や建屋・吸着塔などに存するその他の放射性廃棄物などはどこでどのように扱われるのか、トイレなきマンションと呼ばれるように、それらは決まっていない。

東電は30〜40年で廃炉とすることを目標としているが、誰も実現出来るとは思っていないのではないか。

そもそも、何をもって廃炉とするのか明言が避けられているという。

ある程度の段階で勝手に定義を創出し、廃炉完了を宣言するつもりであろうか。

廃炉は、高レベル放射性廃棄物の処分方法が確立していない以上、不可能なのではないだろうか。

再稼働や新設が出来なくなってしまうから、そのことは絶対に認めない。 この国の闇。

被害者の皆さんに謝罪や賠償、この先の補償も手厚く行い、被災者住宅からの追い出しなどもってのほか、その上で原発はこれ以上増やさない。

原発は、廃止一択。

たくさん質問させて頂き、そして真摯にお答え頂き、誠にありがとうございました。 主催者の皆様、講師の木野龍逸さんに心より感謝と敬意を表します。

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