「プリズン・サークル~処罰と回復~」
2023年12月14日
少し前になりますが、「プリズン・サークル」という映画を見てきました。
2年以上前に公開された作品だと思いますが、当時は見ることが出来ず、アンコール上映が行われると聞いて喜び勇んで駆け付けたのでした!
アンコールされるくらいですから、相当な評判だったのですが皆様ご存知でしょうか。
どんな映画なのか、公式サイトの言葉をお借りしますね↓
【「島根あさひ社会復帰促進センター」は、官民協働の新しい刑務所。警備や職業訓練などを民間が担い、ドアの施錠や食事の搬送は自動化され、ICタグとCCTVカメラが受刑者を監視する。
しかし、その真の新しさは、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している点にある。
なぜ自分は今ここにいるのか、いかにして償うのか? 彼らが向き合うのは、犯した罪だけではない。幼い頃に経験した貧困、いじめ、虐待、差別などの記憶。痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情。そして、それらを表現する言葉を獲得していく…。】
処罰感情は否定しないけれど、同時に加害者の回復をはからなければ暴力の連鎖を断ち切ることは出来ない。
私だっていつ何かしらの加害者にも被害者にもなるかも知れない。
映画を通して見えてくるのは、やはり収容者の幸せではない子ども時代。すべての子どもたちに幸せな子ども時代を過ごさせてあげなければ、日本に未来はない。
残念ながら親の愛情に恵まれなくても、他の大人が・国が温かく育てる。つまり制度を整え、予算と人をしっかりつけるということ。
例えば、日本には今4万人以上の親の愛情に恵まれなかった子どもがいて、8割以上が施設で養護されているのだから、里親・養子縁組制度を周知し旺盛な活用がなされるよう注力してゆく。もちろん国も地方ももうやっているのだけれど、もっと、もっと‼
生殖補助医療への助成をどんどん拡充していることを否定しないけれど、それ以上に里親・養子縁組制度の発展に尽力したい。
先日ある中学生に、なぜ日本では死刑制度が廃止されないのかと質問されました。
日本人の(私含め)人権感覚の欠如、日本における人権教育の欠如が原因だと、私は思う。
冤罪の可能性の大きさ、国家が・国民がこいつを殺せと叫ぶことの恐ろしさを考えれば、私は終身刑を導入したうえで死刑制度は廃止すべきと思う。
勿論、被害者やご遺族のケアを最優先で。被害者プログラムを大発展させなければならない。そのためにも、犯人には生きていてもらわなければならない。
そんなことを考えながら帰路につきました。
そしてシンプルだけど、全編を通して対話の重要性を感じました。自分と考えの異なる人々との対話を避けていないか。自分自身に問いかけました。
渋谷のイメージフォーラムにて12/22までご鑑賞いただけますので(遠方の方には申し訳ないのですが)、一人でも多くの方にご覧頂けたらと思います。