「絶望の自衛隊」
2023年12月15日
最近では勇ましいことを口にする政治家や政党が幅を利かせており、自公政権は軍拡路線をひた走っています。なんと殺傷能力のある武器輸出の解禁までもが現実もを帯びているような状況です。
私はこの流れに大いに異議を唱えます。
勇ましいことを口にする政治家は戦地に行くことはありません。彼らの思い通りに日本を死の商人国家になどさせてはいけません。
自衛隊が多くの国民から尊敬されているのは、これまで他国で誰の命も奪わず、災害時に国民を救ってくれて来たからです。
私は自衛隊に災害救助隊としてフル活躍して欲しい。どの国よりも迅速に、どこの国よりも数多く世界中の被災地に駆けつけ、人々を救出する。そのことによって世界で名誉ある地位を占める。他国から敬意を抱かれる国となることこそが最強の安全保障ではないでしょうか。
ところが昨今、防衛大学校や自衛隊におけるパワハラ、セクハラ、暴力問題、離職率が異常に高いこと、自殺割合も突出しているという残念な評判が非常に多く耳に入ってきます。
五ノ井里奈さんへの性暴行・セクハラはご本人の勇気ある告発で有名ですが、他にも同様の性暴行・セクハラ訴えは起こされておりますし、それのみならず、本年は自衛隊員による殺人事件が2件報道された記憶があります。
一つは自衛官候補生が射撃訓練中に上官を射殺した事件。陸自3人死傷事件 自衛官候補生は弾倉に実弾込める作業中銃撃か
この事件はその後、訓練再開時にほかの隊員がメディアに対して中指を立てるという考えられない事件にまで発展しています( 陸自射撃場で訓練再開時 中指立てた自衛隊員を訓戒処分 岐阜 )。
もう一つは、誰でもよかったと、捕まるまでもっとたくさんの人を殺そうとしていたという者による殺人。
無差別殺人の可能性も 京都の男性殺害事件、帰宅直後に襲われたか 15分前には防カメに歩く姿
少し前になりますが、2020年には陸上自衛隊が反戦デモを「グレーゾーン事態」としていた事件( 前陸幕長の講演資料でも「反戦デモ」「報道」をグレーゾーン扱い)や、
自衛隊情報保全隊が市民を監視していた事件( 自衛隊情報保全隊は過去にどんなことをしてきた?一般市民を監視対象に 国に賠償命令も )もありましたね。
これは自公政権の軍拡路線、国に物言う市民を敵視する体質、平気で噓をつき公文書までも改ざんし、政党助成金を受け取りながら一向に企業・団体献金を廃止しないばかりか裏金作りまで熱心に行っている恥知らずな体質が、自衛隊をも蝕んでいることの表れではないかと私は思うのです。
国民がイメージする、気高く誇らしいはずの自衛隊のイメージに反する現実を示してくれる著書を読み、まさにタイトルのように絶望的な気持ちとなりました。
入隊する際は希望に満ち、崇高な目標を掲げていたはずの人々が、理不尽が横行する組織の中で疲弊し、夢や希望を失いモンスターと化してゆく・・。ページをめくるたびに「噓でしょ・・」という言葉が口からこぼれます。
現状の組織のありかたは明らかに隊員の人権を侵害し、国益を損ねています。
自衛隊を目指す若者にかける言葉はありますかと問われると、この本に出てくるほとんどの登場人物は「絶対に来てはいけない」とおっしゃいます。
変えなければなりません。自衛隊に憧れを抱き、崇高な理念を抱いて入隊してくれた・入隊してくれる人々のために。
つまり、軍拡路線ではなく真の意味での積極的な平和主義の実現を目指し、国に物言う市民を敵視することなく、嘘をつかず、公文書の改ざんなどせず、早急に企業・団体献金を廃止し、裏金作りなど行わない政治家の手で、隊員が持てる才能を存分に発揮できる組織へと、自衛隊改革を成し遂げるのです。
冒頭に記したように、私は自衛隊に災害救助隊としてフル活躍して欲しい。どの国よりも迅速に、どこの国よりも数多く世界中の被災地に駆けつけ、人々を救出する。そのことによって世界で名誉ある地位を占める。他国から敬意を抱かれる国となることこそが最強の安全保障だと考えるから。
目標めざし、引き続き学んで参ります。