「新宿区議会 第二回定例会 最終日ご報告。」
2020年06月20日
ふぅーーーッ!
約10日間、駆け抜けました!!
今回は、区長の行った専決処分についての問題、新宿区がホテルから行き場のない人々を追い出してしまった問題、新宿区立いこいの家・清風園廃止問題など、メディアを賑わわせてしまった残念な問題が複数あるという、当選してから一番盛り上がった定例会でありました。
また、「手話言語への理解の促進及び障害者の意思疎通のための多様な手段の利用の促進に関する条例」が成立した際、聴覚障害を有する皆さんが大勢傍聴にいらしていて、拍手を意味する両手の平をヒラヒラさせる仕草が見られて感動的でした。
4/30に行われた専決処分による第3号補正予算・今定例会に提出された第4号補正予算、更には定例会中に追加提出された第5号補正予算を合計すると、
約398億円が当初の2020年度予算に追加されました。もちろんコロナ支援のためです。
国や都から出されるものもあれば、新宿区独自に支出されるものもあり、それらは財政調整基金という、区の貯金のようなものから充当されます。
新宿区は元年度末で303億円の財政調整基金残高がありましたが、補正予算によって取り崩しされた結果、2020年度末見込みで約232億円となっています。
まだまだコロナ問題は先が見えませんので、更なる取り崩しが行われることが予想されます。いざという時のために貯めていたわけですから、まさに今ここにある危機のために有効に活用すべきであり、同時に、通貨発行権を有する国がしっかりと交付金を拠出して自治体を支えるべきと考えます。
そしてそして。
定例会がありましたと言っても普通は何がなんだかよく分からないと思うのでざっくりと説明すると、
①本会議場にて代表質問。(質問という形ですが、実質要望のようなもの。会派の代表者が質問し、区長や教育長が直接答えます)
②本会議場にて一般質問。(会派ごとに割り当てられた時間を使って複数名が質問を行う。担当部長が答えます。新宿区は変則で、私のような一人会派は、一般質問だけれど、区長・教育長が答えます。昨年までは代表質問という形だったのですが、それはおかしい・不公平だということで話し合いが行われこのような処遇となりました。)
③行政から出された議案が各常任委員会・特別委員会に付託されて審議されます。そこで委員会としての採決がなされます。
④本会議に議案が戻ってきて、委員会採決が報告されます。そこで、少数意見報告(小数意見だった人が、その意見を全議員に報告する。それを聞いた議員が賛否の参考にします)や、討論(意見を述べて他の議員に一緒に反対してくれる・賛成してくれるよう訴えます~反対討論・賛成討論~)を行います。その後、全議員で採決。
ということが1週間から10日間かけて行われます。
昨日が、その④の最終日だったのです。ご参考までに、区長提出議案以下のようになっています。
区長提出議案
承認(2件)
・承認第1号 専決処分の承認について
・承認第2号 専決処分の承認について
予算(3件)
・ 第41号議案 令和2年度新宿区一般会計補正予算(第4号)
・ 第42号議案 令和2年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第2号)
・ 第61号議案 令和2年度新宿区一般会計補正予算(第5号)
条例(14件)
・ 第43号議案 新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・ 第44号議案 新宿区特別区税条例等の一部を改正する条例
・ 第45号議案 災害に際し応急措置の業務等に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例
・ 第46号議案 新宿区危険ドラッグその他の危険薬物撲滅条例の一部を改正する条例
・ 第47号議案 新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例
・ 第48号議案 新宿区手話言語への理解の促進及び障害者の意思疎通のための多様な手段の利用の促進に関する条例
・ 第49号議案 新宿区立高齢者いこいの家条例を廃止する条例
・ 第50号議案 新宿区助産の実施又は母子保護の実施に係る費用徴収条例の一部を改正する条例
・ 第51号議案 新宿区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
・ 第52号議案 新宿区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
・ 第53号議案 新宿区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
・ 第54号議案 新宿区国民健康保険条例の一部を改正する条例
・ 第55号議案 新宿区環境土木・都市計画事務手数料条例の一部を改正する条例
・ 第62号議案 令和2年7月及び8月における新宿区長の給料の特例に関する条例
その他(5件)
・ 第56号議案 新宿区立新宿コズミックスポーツセンター及び新宿区立教育センター空調改修その他工事請負契約
・ 第57号議案 新宿区立西戸山公園野球場人工芝改修工事請負契約
・ 第58号議案 新宿区立西戸山公園野球場照明設備改修その他工事請負契約
・ 第59号議案 新宿区立牛込第三中学校擁壁等改築工事請負契約の変更について
・ 第60号議案 訴えの提起について
この中で、私は
・承認第2号 専決処分の承認について
・ 第49号議案 新宿区立高齢者いこいの家条例を廃止する条例
・ 第62号議案 令和2年7月及び8月における新宿区長の給料の特例に関する条例
について反対しました。少数意見報告・反対討論の内容を以下に記載します。
令和2年第2回定例会 承認第2号専決処分の承認について
少数意見報告
ちいさき声をすくいあげる会のよだかれんです。承認第2号 専決処分の承認について 令和2年度 新宿区 一般会計 補正予算 第3号中 歳出第4款 文化観光産業費・歳出第6款こども家庭費について少数意見を留保しましたので、一括してご報告いたします。
私は、議決すべき事件について専決処分を行うのは、摩擦のない廊下を歩くような行為だと考えます。摩擦があるからこそ安心して廊下を歩けます。摩擦がなければツルツル滑って非常に危ないと思うのです。
議会という摩擦があるからこそ、区はより良い施策を安全に実行できるではないでしょうか
例えば、今回専決処分された補正予算の中に「店舗等家賃減額助成」という事業があります。他区に先んじて新宿区独自に生み出した支援策でしたので、その姿勢は評価します。しかし、賃借人ではなく賃貸人に助成することで間接的に店舗等の家賃減額をうながすという内容であることから使いにくいと指摘され、12億円用意した予算の内、開始から1か月以上経った6/16の段階で2800万円ほどしか助成決定されていません。
議会に諮られていれば、38名の議員それぞれの視点によって審議され、区民のニーズに沿った内容に出来ていたかも知れません。
また、いち早く区民に特別定額給付金が行き渡るようにと専決処分をしたはずですが、議決を経た自治体よりも早く支給出来たということは、残念ながらございません。
私が11時12時と深夜に帰宅する際にも、特別定額給付金対策室の職員の皆さんがまだまだ働いているのを目にします。現場の皆さんに敬意を抱いておりますが、やはり、専決処分ではなく、臨時議会を開催すべきだったと思います。
更に、今定例会の他会派代表質問における答弁の中で、区長は、当該専決処分を決断した理由の一つとして、複数の区議会関係者のSNSへの投稿状況を上げていらっしゃいました。私は驚きました。議会軽視だと感じました。
こうした姿勢で行われた専決処分を承認することは出来ません。
専決処分がなされた4/30には日本共産党新宿区議会議員団・社民党新宿区議会議員団・スタートアップ新宿・ちいさき声をすくいあげる会の4会派で臨時議会開催の申入れもしましたが、その要望は叶えられませんでした。
議会を・少数会派を軽んじることのない区政運営を求め、私の少数意見報告を終わります。
続きまして。
令和2年第2回定例会第49号議案反対討論
ちいさき声をすくいあげる会のよだかれんです。第49号議案 新宿区立高齢者いこいの家条例を廃止する条例について、反対の立場で討論いたします。
清風園を廃止することについて、区はおおむね理解を得たとしていますが、今定例会に 存続を求める陳情が498名の連名で出され、2000名を超える方々の署名が提出されています。本当にこれで、おおむね理解を得たと言えるのでしょうか。
2021年9月末での廃止を決めているということは、廃止計画は随分前から庁内で話し合われていたはずです。しかし、利用者の皆さんへの説明会が開催されたのは今年になってから、しかもたったの2日間です。
明らかに、踏むべきステップを踏んでいません。区民の声に耳を傾ける姿勢が欠けているのではないでしょうか。
今からでも遅くはありません。何度でも何度でも、利用者の皆さんの意見を聴く機会を作って頂きたいと思います。
清風園だけの問題ということではなく、区民に対する区の姿勢そのものが問われているのです。以上で反対討論を終わります。
※動画はコチラ。他の動画も順次アップしますね☆
令和2年第2回定例会第62号議案反対討論
ちいさき声をすくいあげる会のよだかれんです。第62号議案 令和2年7月及び8月における新宿区長の給料の特例に関する条例について反対の立場で討論いたします。
区長という仕事がどれほどハードなものか、今の私には想像もつきません。土日祝日関係なく公務は押し寄せ、まる一日のんびりお休みできるという日が、いったい年間で何日あるのでしょうか。
ただでさえ多忙な状況であるはずですが、今年に入ってからは新型コロナウィルス感染が拡大し、その対応もあり、寝る間もないほどの激務が続いているのではないでしょうか。一部飲食店事業者に対してPCR検査を受けて頂く・経営に大きな影響を与える自主休業をお願いしている ということから、区長ご自身が身を削るのだという覚悟には敬意を表します。しかしそれでも、お給料を減額する必要はないと、多くの区民は感じるはずです。該当する飲食店には、何らかの助成を検討する方が喜んで頂けるのではとも思います。
また、区長がお給料を減額することは、区職員に与える影響も大きいのではないでしょうか。首長が職員に対し、新設したコロナ対策基金へ定額給付金を寄付するよう求めた自治体があり、問題となったのは記憶に新しいところです。
新宿区ではそのようなことはなくとも、トップ自らお給料を半分も減額することは職員へのプレッシャーになってしまわないか心配です。
感染リスクにさらされながら最前線で働く職員には特別手当を出す必要があるくらいではないかと感じています。そうした皆さんがプレッシャーを受けずにお給料や特別定額給付金を受け取れるよう、区長には、受け取るべきお給料は受け取って頂きたいと思います。
新型コロナウィルス感染拡大の第2波第3波、あるいは新たなウィルス襲来や自然災害なども起こりえます。新宿区政のトップとして健康に留意し、お休みもしっかり取って、元気いっぱいに新宿区を引っ張って頂きたいと思います。
以上、私の反対討論を終わります。
ということを出たり入ったりしながら訴えました。
結果としては、少数意見報告や反対討論むなしく、全て可決となりました。清風園の廃止については、沢山の方が傍聴に駆けつけていらっしゃって、可決の瞬間には「ひどい・・・」というようなため息のような悲鳴が上がりました。でもこれで終りではありません。区は、強権的な姿勢を改め、区民の声に耳を傾ける新宿区へと進化して貰いたいです。これからも訴え続けます。
物凄く長い長いご報告となってしまいました。
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。