昨夜は久しぶりに行政書士会新宿支部開催の研修会へ参加して参りました。
コロナのために中止になったりオンラインのみの開催になる研修会・勉強会が多い中、貴重な顔を合わせての開催でした。
感染拡大防止策を講じての開催は負担が大きかったと思いますので、担当の竹内康二先生・研修部の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
タイトルは「改正民法 何がどう変わるのか」前半~相続法~。
そうなんです。皆様ご存じのように本年4月1日より改正民法が施行されたのですが、相続に関する部分は2019年1月から段階的に改正法が施行され、7月10日からは全て施行となりました。
行政書士業務において相続手続きというのはメジャーな分野であり、区民相談会なのでは8割近くが相続に関する内容です。私自身も数多く受任させて頂いておりますので、今回の改正にあたっても様々な勉強会に参加させて頂いて研鑽に励んでおります。
(法務省も国民に分かりやすく伝えようと、こうしたパンフレットなどを頒布しています)
①配偶者居住権の新設
②婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置
③預貯金の払い戻し制度の創設
④自筆証書遺言の方式緩和
⑤法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設
⑥遺留分制度の見直し
⑦特別の寄与の制度の創設
というように、多岐に渡りますし内容も複雑ですので、国民に浸透するにはかなりの年月が必要かと思います。
ただ、声を大にして言いたいのは、当該法律の定めというのは、当事者間の合意を得るのが難しい場合に用いる一定の基準のようなものであり、あくまでも「遺言」・無い場合は「当事者間の合意」が優先だという事です。
多くの方が、法律で書かれた通りに相続しなければいけないと誤解しています。違うんです。
遺留分の問題はありますが、遺言で自分の思うとおりに財産を分けることが出来ますし、相続人全員で合意すれば法定とは違った遺産分割が出来ます。
そもそも遺留分というのは、単に請求する権利があるということであり、行使しないという選択肢も当然あり、実際行使しない方も沢山いらっしゃいます。
私が受任する案件では、そういったことはよくあります。夫が亡くなり妻と子供がいるとしても妻が全て相続する、同じケースで子どもが全て相続する等々。そのご家庭ごとに事情や人間関係は異なりますから。
同性同士のカップル、事実婚カップル、お子さんのいないご夫婦等は課題が多いため、遺言を確実に残すことをオススメします。
久しぶりの研修で、身が引き締まりました。