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「安易な民営化のつけはどこに?~三雲崇正新宿区議と~」

2020年08月18日

今日も暑かったですが、新宿はどことなく盛りは過ぎた感じの暑さになったような気がします。
夕方、通り抜ける風が気持ちよかったです。

そんな本日、三雲崇正新宿区議とパチリ(/ω\)
手元にあるのは、三雲区議も著者のお一人に名を連ねている「安易な民営化のつけはどこに~先進国に広がる再公営化の動き~」


(マスクしてると、私、ダレノガレ明美ちゃんみたい。なんつって(´ε` ) 自己肯定感が高いのはよいことです! )

2018年に改正水道法が成立したことを受け、水道事業の担い手である自治体の首長・議会・議員並びに市民が、水道事業をはじめとする公共事業について考え、広く議論しながら決定していくための一助になればという思いで綴られた、4名による共著で生まれた名作です。

官民連携(PPP)という大枠の中にPFIという一類型があり、さらにその中によく聞くコンセッション方式という形があるというイメージでしょうか。
そういった難しい内容も非常に分かりやすく解説してくれています。

PFIは公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営・技術能力を活用し、その効率化やサービス向上を目指す手法と言われていたものの、経営の不透明、議会の政策コントロールの低下、専門の知識や人材の喪失による監視能力の喪失、契約企業との紛争とそれに関わる膨大な法的費用、自治体に不利な契約書、サービス供給費用の高騰にもかかわらずサービスの質の上昇が伴わない・・・等々の理由により、発祥の地であるイギリスでは2018年の段階で「これからはPFIは選択しない」とされています。

「再公営化から学びうる最大の教訓は、最初から公共サービスを民営化しないことである」という著者のお一人・岸本聡子氏の一文が胸に突き刺さります。

ちょっと考えても、株式会社というのは利益を株主に還元することが目的なわけですから、利益を上げることが目的でない公共サービスとは性質がそもそも異なりますので、連携連携と大合唱されると違和感が生じます。「官民連携とは、みんなのものを用いて誰かに得させるための仕組み」というのは言い過ぎでしょうか。どなたかが書かれていて、上手い表現だなぁと印象に残っています。

にもかかわらず、なぜ新宿区は担当窓口まで設けて官民連携を押し進めようとするのかと疑問に思っていたのですが、この本で理解出来ました。

政府によるPPP/PFI推進施策が各自治体に押し付けられているのですね。
「公共施設等総合管理計画」さらには「固定資産台帳」を作らせ、一定規模以上の公共施設整備事業については優先的にPPP/PFI手法の導入について検討させ、場合によっては外部コンサルタントを活用したりして詳細な比較を行わなければならなず、導入しない場合にはネット上で評価の内容を公表し外部から検証できるようにしなければならないこととしている・・・

って、怖ッ(ーー;)
PFIから逃れられないようにされてる・・・背筋が凍る物語、是非是非皆さんも本書をお読みください!!

さすが、世界一企業が活躍しやすい国を目指す現政権です。
労働環境の破壊もそうですし、農薬や添加物の規制等々、人を大切にする姿勢が欠けています。世界の流れに逆らうの、お得意です。一体誰に甘い汁を吸わせようとしているのでしょう。

新宿区でも、近いところでは新宿文化センターの改修工事や運営についてPFIが検討されています。
区民に損害を与えられないよう、三雲区議にあやかって学びを深めて参ります。

購入はコチラで可能です。ブログは私の勝手な解釈で綴っておりますので、三雲区議をはじめ各著者の皆さんの正しく正確な主張は是非本を購入してご堪能下さい。→イマジン出版株式会社