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「ふるさと納税の問題点~決算特別委員会開催中です~。」

2021年09月28日

皆さんこんばんは、新宿区議会議員のよだかれんデス。

只今新宿区議会では決算特別委員会が開催中です。9月24日~10月6日に渡り、令和2年度の決算書について質疑が繰り広げられます。

残念ながら新宿区議会では各会派とも全員参加出来るものでなく、ひとり会派も持ち回りであり、今回私は委員会に入れておりません。

が、全集中で傍聴・視聴していないと最終日に賛否を表明できない(賛成の場合はよいのですが、反対の場合はなぜ反対なのか理由を表明しなければならない)ため、また、各委員の質疑が大変勉強になるため、連日10時から17時まで決算書を手に耳をダンボにして向き合っております。

本日は歳入についての質疑が行われ、やはり「ふるさと納税」がどれほど新宿区の財政に影響を与えているかということを複数の委員が指摘していらっしゃいました。

令和2年度では26億円余がふるさと納税によって失われています。 私はもともと声を大にしてこの制度は廃止すべきと訴えています。

①住民サービスを享受する自治体に納税すべき
②節税となり、税金の持つ富の再分配機能を低下させる
③「強制性」「無償性」「収入性」という租税を成立させる3要素の「無償性」に反するのではないか
④使途を指定できる自治体もあり、特定の支出を特定の収入でまかなうことを禁止する非充当関係の原則に反するのではないか(予算の原則の一つ)
⑤返礼品を貰えたり税の控除が受けられることで、‟寄付は見返りを求めて行うもの”という誤ったメッセージを国民に与える

等が理由です。

23区全体でも大きな損失を被っているため、特別区長会として国へ改善を要望しているものの、新宿区もこうしたページを設けて寄付を呼び掛けています→新宿区へのふるさと納税(寄附金)のご案内

委員の中でも、区民になるべくふるさと納税を利用しないよう求めるべきではないかという意見と、積極的に返礼品等検討して全国の多くの方に納税してもらうよう努めるべきという意見など様々です。

より多く全国の他自体住民から納税して頂くということは、他自治体から、本来その自治体が受け取るべき税金を奪うことになります。

都市部と地方との格差を解消するためということであれば交付金で調整できるわけですし、一刻も早くこのような不合理な制度は廃止すべきだと私は思います。

目の前に得をする制度があるなら利用したいと思うのは当然なので、利用している方が悪いというわけではなく、こうした制度を作った現政権の問題です。


(先日の野党統一候補応援動画撮影時の一枚。気に入ってます(/ω\))

自公政権は、富めるものをさらに富ませ、貧しいものはより貧しくするような政策を推し進めていると私は感じています。このふるさと納税だって、課税所得者のみが受けられる恩恵です。

経済界の要望に応えて法人税は下がり続け、その分を消費税増税で補填しています。消費税は逆進性が強い性質で、困窮者をより困窮させます。

所得に対する税制も、富裕層をより富ませています。
現状では株式等譲渡所得や配当、債券・預金の利子などの金融所得に対しては、所得税と比べて極めて低い20%の軽減税率が適用される「分離課税」となっています。

この結果、所得1億円程度が所得税負担のピークで、更なる高額所得者の所得税負担率は右肩下がりとなってゆく仕組みです。

・・・皆さん、これでいいと思いますか?

本日のやり取りの中でも、区に入ってくる株式等譲渡所得割交付金はコロナどこ吹く風で78.2%増の7億5800万余となっていることで驚かされましたが、公正な課税がなされれば更なる区収入となり、富の再分配に繋がります。

衆院選が控えています。次の政権には是非、消費税廃止・減税、法人税の累進税化、金融所得への課税のあり方など議論を進めて頂き、所得の再分配機能を高められる税制へと改善して頂きたいと思います。

明日も各委員の素晴らしい質疑が繰り広げられます。
共に視聴いたしましょう!(コチラからご視聴頂けます)