「バンクーバー・インクルーシヴ教育スタディツアー1/6日目~しょっぱなからビックリの、UNIVERSAL WASHROOM~」
2023年04月03日
「求めよ、さらば与えられん」とはよく言ったものです。
コソ連(こっそり腕を磨くこと)が出来ない私は、始めるとすぐにあぁしてますこぉしてますとペラペラと口にします。
その方がいろんなことを紹介してもらえたり、言った以上はやらないと恥ずかしいと、より一生懸命取り組めるような気がするから。
そしてここ最近とみに口にしていたのが、「英語学校に通い始めました」ということです。
1月からNCC綜合英語学院というかなり厳しめの(;´Д`)学校でもがき苦しんでおり、記者会見を英語で対応できるレベルを目指しております。と、偉そうに言えるほどのレベルでは全くないということは謙遜ではなく自覚しているところではありますが、理想は高く掲げて参ります‼
そんな発信をし始めてすぐのことです・・。
親しくしてくださっているれいわ新選組の木村英子参院議員からお声がかかり、インクルーシブ先進国のカナダへのスタディツアーがある、ぜひとも参加してその報告をして欲しいとの命を授かったのであります。
凄くないですか⁉こんなことあります⁉
まさに、「求めよ、さらば与えられん」です。
そんなわけで。
行ってきましたバンクーバーーーーーーッ(*゚▽゚*)
(ピナクルホテル。お部屋からの景色だけで、涙が出そうに感動。)
親しくしてくださっているお姉様がいらっしゃることもあって、冬はスキー・夏は避暑という感じで何度か訪れている(何十年も前のお話ですが)バンクーバー。
広大な国土でありながら、バンクーバーのダウンタウンはコンパクトにぎゅっとまとまっていて、すぐそこにビーチもあって、
雪山の美しい景色も目の前です。
(雲で隠れていますが、美しい雪かぶりの山々がダウンタウン中から眺められます。)
(ハードスケジュールで、水上飛行機には乗れずに残念!次回必ず!)
研修の前日に現地入りしたので、到着した日はお姉様の案内でこのようにややリラックスした時間を過ごさせて頂きました。
が、現地でホームレス支援関係のお仕事をされている方なので、あなたはちゃんと見ておいたほうが良いと、美しいバンクーバーの暗部ともいえるエリアに案内頂いて衝撃を受けて参りました。
危険なエリアであるために車の中から視察するだけということで、写真撮影などはせずにこの目にしっかりと焼き付けて参りました。
そのエリアではお店はシャッター街となっていて、広い歩道一杯にはテントがずらっと並んでいます。ホームレスの仮の住まいです。
多くの人々でごった返しており、年齢層が非常に若いことに驚きました。
(詳しくはライブ配信でお話したのでご覧くださいませ)
精神的にケアが必要な人々、お酒やドラッグの中毒となている人が多く、最近ではオーバードーズといって高揚感を得るために本来の薬の目的・用量とは異なる過剰摂取をして現実から逃れようとする人々が多いようです。
日本と違ってカナダはしっかりと経済成長をしており、特にバンクーバーは家賃が高騰していて、28年前にお邪魔させて頂いた素敵なアパートメントのお家賃は約7万円(お部屋からビーチも山々も望める夢のように素敵な物件でした。安い安いと興奮した記憶があります)だったのが30万円近くッ(‘O’*) になっているそうで、凄まじいご様子です。
一方でそのストリートの人々のように、社会の高揚感から振り落とされている人々もいる。
日本は今はそこまでの状況ではないけれど、経済政策を改め人々の暮らしの底上げを図るにしても、一部の資本家や富裕層に富を集中させるやり方ではなく、公平に富が行き渡るよう、人権意識を抱いた経済政策を選択しなければなりません。
弱い者いじめの消費税を廃止(平等ではあるけれど公正ではない)し、法人税の累進税化や金融所得の所得税への統合(1億円の壁解消)を進め、歪んだ税制を改めて公正な税制への移行を目指しましょう!
企業が発展することや富裕層が悪いということではなく、応分負担をして頂いて福祉や環境保護などの社会構築に貢献して頂きたいということです。
というような決意を新たにして翌日、いよいよ研修の始まりです。
ダウンタウンエリアの対岸にシーバスで渡ります。
(観光用ではなく日常の市民の足ですが、いちいち絵になる~(゚Д゚≡゚Д゚))
渡り終えて、ノーズバンクーバー側からダウンタウンエリアを眺めます。くぅ~ッ♡
初日の研修はキャピラノ大学ノースデール校舎にて。
研修前にトイレに行っておこうと探していると・・ありました‼
女性用はどちらかしら・・と思っていると見つからず、表示をよく見てみるとなんと・・ユニバーサルトイレでしたーーーッ‼
そうです、男女が分かれておらず、入ると個室がずらっと並んでいるのです‼
EVERYONE WELCOME。
なんだか胸が熱くなりました。
いま日本では、LGBT差別禁止法をなんとしても阻止したい人々によるデマ・誹謗中傷が飛び交い、知らないがためにそうした情報に惑わされてしまう人々がたくさんいて、ネット上ではありますがトランスジェンダー女性を排除しようとする機運が醸成されしまっています。
私も、ナイフで心をえぐるような言葉を(あくまでもネット上ですが)投げつけられるようになりました。
女性として生きるようになって15年。
今までこんなことはなかったので心底驚いているのですが、政治家としての宿命でもあり、そしてまたそれだけ日本が貧しくなっているということだと思います。
衣食足りて礼節を知る。
そんな言葉を実感する日々です。
EVERYONE WELCOME
こんなにシンプルな言葉が、大きな大きな力を持っているのですね。
さて、初日研修は KARVIR MANN(カルヴィア・マアン)さんによる講演からスタート。
カナダは200以上の言語が話され、人口の1/4がカナダ外で生まれていて、全人口の5%・140万人が先住民という多民族国家であり、1988年に世界初の多文化主義政策であるマルチカルチャリズム法が誕生しています。
人種民族差別を違法とし、多文化の維持を保護する国。インクルーシヴが国策なのです!
だからこそ、啓蒙啓発だけでなく、法律でそのことをしっかりと定める。『平等ではなく公正を大切にする』。
1989年にはBC州の学校法が改正され、障がいのある子も地域の学校に行けるようになりました。日本のように、当然のように入学を断るということは許されないということに驚きます。
シーバスの改札もご覧ください!車いすでも通れる改札が両端と真ん中に備えられています。真ん中!一番端っこだけに肩身が狭そうに一カ所だけ設けられている日本とは大違い。
ちょっとしたことだけれど、人々の深層心理に大きな影響、与えますよね。車いすど真ん中社会!
また、ツアー中現地のすべてのスピーカーに共通していたのが、お話の前に必ず「まだ返還されていない土地をお借りし、先住民の人々に感謝と敬意を表します」というような言葉を発してから本題に入るのが印象的でした。
過去の過ちと向き合い、その上で未来に向けて共存を図る姿勢を見習いたいものです。
続いて参加者の自己紹介。東京組を中心に山陽・関西地方からも参加者がいらして計約20名。おぉーーーッ(‘O’*)‼
NPO法人代表、大学研究職、中学・高校教師、障がい当事者・支援者、難民支援関係者、政治家、セクシュアル・マイノリティ等々そうそうたる皆さんです。ちいさなお子さんを連れて参加している方もいらっしゃり、場の空気がなごみます。なんてインクルーシヴな顔ぶれでしょう。
約1週間ともに学ぶ仲間たち、期待が高まります。
続いて現地の高校で数学教師としてご活躍のUMEKI TAKUYAさんによる「答えのない教室」。
グループに分かれてのアイスブレイクタイムです。
1から10までの数字と加減剰余を組み合わせて与えられた数字を導き出すというゲームで、正解を考えるというよりはチームでアイディアを出し合ったりコミュニケーションを図るためのワークですね。
私の役割は最初にエンジンをかけることで、後はほかのメンバーが素晴らしい才能で答えを導いてくれるという印象でした。
チームプレーは苦手な方だと思っていますが、このチームでの役割を認識できたのは収穫です。
少しづつ打ち解けたところで再び講演。
カナダの学校でEducational Assistantとして働いていた経験をお持ちで、日本の学校でも特別支援教師としてご活躍の Xさんによる、日本とカナダの教育システムの違いについて。
印象的だったのは、カナダではEquality(平等)よりもEquity(公正)が重んじられるということ。何度となくおっしゃっていました。
問題があるとすれば、それは学生にではなく制度にあるとのお考えにも賛同します。日本では不登校児童生徒が激増しているわけで、これは子どもたちにではなく日本の教育制度に問題があるからだと私は常々思っていました。
日本では頭の中では分離教育が奨励され、名ばかりのインクルーシヴ教育で物理的に教室に放り込まれているだけで実際には教育に公正に参加できていない子どもたちがたくさんいるのではないか。有意義な参加が出来なければ意味がないわけです。
文部科学省のインクルーシヴ教育の定義とBC州の定義が全然違っているので是非確認して欲しいということを仰っていたので、もっと調査研究を進めて皆さんにもシェア出来るようにいたしますね。
そしてカナダのインクルーシヴ教育専門家シェリー・ムーアさんの動画もご紹介下さいました。
枯れたりしおれたりしているお花があれば、刈り取るのではなく環境を整える。それがインクルーシヴ教育!
さぁ、初日から盛りだくさんのPRO-D TOURの幕が開きました。
これから1週間、現地の学校を訪れたり専門家のお話を聴いたりと、たくさんのプログラムが組まれています。
今は帰国しており、振り返りながらの述懐となりますが、一日一日の様子を皆さんにシェアさせて頂きます。
全6回、どうぞお楽しみになさってください(*・∀-)b