「質問2-1『 誰もがありのままで心地よく暮らせる新宿区について』~3月1日議会質問、前半分ご報告~。」
2022年03月04日
皆さんこんばんは、新宿区議会議員・行政書士のよだかれんデス。
遅ればせながら3月1日に行われた新宿区議会 令和4年 第一回定例会 本会議一般質問のご報告です。
質問数が多く多岐に渡りますので、今日・明日と2回に分けてご報告いたします。
質問原稿と答弁原稿、長くなりますがお読み頂けたら幸いです。
質問2-1 誰もがありのままで心地よく暮らせる新宿区について
先日行われた吉住区長の基本方針説明において、私が当選してからはおそらく初めて、性的少数者の施策について言及がありました。大変感銘を受け、大いに評価するところです。
そこで、まずはパートナーシップ制度と自殺対策について伺います。
新宿区では、私をはじめ複数の会派の複数の議員が要望し続け、残念ながら実現を果たせなかったパートナーシップ制度ですが、東京都が導入を宣言し、素案が明らかにされ、導入時期も今年の秋を予定していると判明したことで、当事者の期待が高まっています。
そこで伺います。
都の制度導入実施により、区の様々な施策に影響が生ずると思いますが、東京都でパートナーシップ宣誓された方々への対応すべき課題として具体的にどのようなことを想定しているのかご教示ください。
新宿区男女共同参画推進計画においても「多様な性の理解促進と支援」として4つの事業を掲げていますので、そうした事業を通じて「東京都パートナーシップ宣誓制度」についての周知を積極的に行って頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
また、本年度は「新宿区自殺対策計画」の改定が行われます。2017年に政府が定めた第3次自殺総合対策大綱では、「性的マイノリティは、社会や地域の無理解や偏見等の社会的要因によって自殺念慮を抱えることもある」として支援の充実が掲げられています。しかし、区の現計画においてはそうした言及がなされていません。
そこで今回の改正にあたっては、自殺総合対策会議の委員に当事者団体の方に入って頂くなど、性的少数者を自殺におけるハイリスク層として計画の中に位置づけて支援策を講じて頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
(区長答弁)
東京都でパートナーシップ宣誓された 方々への対応すべき課題と、「東京都 パートナーシ ップ宣誓制度」の周知についてです。
令和4年 2月 14 日 に「東京都パートナーシップ宣 誓制度」の素案が都議会 総務委員会に報告され、制 度の基本的な考え方が示されました。
都が制度を導入すること で 、区においても、パー トナー関係にある性的マイノリティの方の生活上の 不便等の軽減など、当事者の方が暮らしやすい環境 づくりにつながるとともに、多様な 性に関する理解 が促進されるものと考えています。
令和4年 3月31日まで実施される 都制度素案のパ ブリックコメントや、同年 6月に予定されている都の条例改正案の提案、都における受理証明書の活用 方法など、都の動向を注視してまいります。
都でパートナーシップ宣誓された方々への対応に ついては、こうした都の取組も踏まえて、区におい ても適切に取り組んでいきます。 また、都の条例改正案が可決されたときは 、区と しても、都と連携しながら、制度の周知を行ってま いります。
次に、新宿区自殺総合対策会議 委員として、性的少数者の当事者団体の方の参加とともに、性的少数者を自殺のハイリスク層として自殺対策計画に位置づけて支援策を講じることについてです。
自殺総合対策会議委員の委嘱に際しては 、現在の計画の評価と新たな課題について、活発な意見交換がされるよう、性的少数者の当事者をはじめ、多様な当事者の方々の参加について、研究してまいります。
また、令 和 4年度の第二期自殺対策計画の改定に 当たっては、これから示される国の自殺総合対策大綱を踏まえ、これまで取り組んできた人材育成や若年層への支援の強化に加え、区の自殺の実態に即した取組を進めてまいります。
次に、デモについてです。
NHKが昨年末に放送した番組内で、東京五輪反対デモについて、金銭による動員があったかのような捏造ともいうべきテロップを付けて放送したことが問題となっています。
私も東京五輪反対デモをはじめ様々なパレード、マーチ、抗議集会等に参加しておりますが、そこに集うのは、当事者の苦しみを多くの国民に伝えたい、この問題を知って貰いたいと切実な思いを有する人々です。
世界に目を向ければ、ミャンマーや香港など軍隊や警察が武力を用いて封じ込めを図る中、命がけで抗議の意思を表明する人々が存在し、デモという表現行為がどれほど崇高なものであるのかを実感させられます。
ウクライナ侵攻に対するロシア国民の反戦デモや世界各地における抗議行動なども同様です。
そこで伺います。
区は、デモなどの表現行為が社会に与える影響や存在意義についてどのようにお考えでしょうか。
新宿区では、2018年に公園の基準見直しがなされ、デモが出発できる区立公園が4つから1つになりました。間接的なデモ規制になり得ると東京弁護士会会長声明が出されるなど話題となり、今に至ります。
区は2019年10月よりヘイトスピーチ防止のための利用制限に関する基準を施行していますが、これはどのような目的で設けられたのでしょうか。
私としては、ヘイトスピーチ対策が取られたものと認識し評価するところであり、以後許可されるデモは平穏に行われるものと思われます。よって、コロナ後を見据え、公園の基準見直しを見直し、変更前に戻すことを求めますがいかがでしょうか。
(区長答弁)
デモについてのお尋ねです。 はじめに 、デモな ど の 表現行為が社会に与える影 響や存在意義についてです。 デモは個人団体を問わず、自身の意見を社会に訴 え、共感を得ていくにあたって有意義なものである と考えております。
戦後の日本では 、安保闘争や沖縄反基地運動、最近では反原発運動でデモ活動が くの人に問題意識を伝える役割を果たしてきたと 考 えています。その 際 に は、非常に多くの人が集まり、 訴求力も周辺環境への影響も大きなものがある と 考 えています。
次に、「新宿区の公の施設におけるヘイトスピーチ 防止のための利用制限に関する基準」の目的につい てです。
区では、人としての尊厳を傷つけ、差別意識を生 じさせるヘイトスピーチを決して許さない姿勢を明確に示すことで、本邦外出身者に対する不当な差別 的言動の防止につなげるた め本基準を策定しました
次に、デモに係る区立公園の使用基準の見直しに ついてです。
平成 30年8月に見直しを行った「デモの出発地と して使用できる公園の基準」については、ヘイトス ピーチ対策に特化したものではなく、公園利用者や 周辺住民の生活環境保護を目的としたものであり、 基準の見直しをする考えはありません。
次に、男性用個室トイレについてです。
現在日本では2人に1人はがんと診断される時代となり、2018年の国立がん研究センターのデータによれば、男性のみの疾患である前立腺がんは9万2021人、男性の膀胱がんは1万7555人でした。
それらのがんの治療後の社会復帰に欠かせないのが尿漏れパッドだそうです。
ここで問題となるのが、「男性用個室トイレにはサニタリーボックスがない」という事です。そのため、使用済みパッドを持ち歩かなければなりません。
もちろん多機能トイレにはゴミ箱が設置されているのですが、外見からは健常者と認識されるため、多機能トイレの利用はためらわれるとのことです。
さいたま市で調査をしたところ、公共施設333施設のうち8施設で設置されており、設置理由として、使用後のパッドを床に置かれたこと、利用者がパッドを流して詰まらせてしまったことなどが挙げられています。
そこで伺います。
公園トイレや公衆トイレ、区関連施設内の男性用トイレの個室における、サニタリーボックスの設置状況をお示しください。
設置個所については設置した経緯もお示しいただき、未設置施設については今後設置をご検討頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
設置の際には誤った使い方がなされないよう設置の趣旨を掲示する必要がありますが、困難を抱える人々についての啓蒙となり、一石二鳥です。
がんサバイバーだけでなく、加齢等による尿漏れパッド利用者もいらっしゃいます。また、女性から男性に移行するトランスジェンダーで生理がある当事者からも男性用トイレの個室にサニタリーボックスがなくて困っているという声もありました。
トイレ利用は社会参加の土台とも言われますので前向きな検討をお願いいたします。
以上、区長のご答弁をお願いいたします。
男性用個室トイレについてのお尋ねです。
区が管理する公園トイレや公衆トイレ、区施設内 の男性用トイレの個室には 、現在、サニタリーボック スは設置されていませんが、本庁舎など施設管理者 が常駐する区施設のいわゆるバリアフリートイレに は、原則、設置しています。
今後、管理上の課題について施設ごとに検証する とともに、他自治体の動向などを注視しながら、男性 用個室トイレへのサニタリーボックス設置の可能性 を検討してまいります。
質問2-1振り返り
私としては、区のデモへの認識が気になりました。
「戦後の日本では 、安保闘争や沖縄反基地運動、最近では反原発運動でデモ活動が くの人に問題意識を伝える役割を果たしてきたと 考 えています。」
ここまでは、そうかそうかと思いました。しかし問題はその後です。
「その 際 に は、非常に多くの人が集まり、 訴求力も周辺環境への影響も大きなものがある と 考 えています。」
・・・周辺環境への影響も大きなものがある・・つまり、「うるさい」ということでしょうか。
実は質問でも述べているように、新宿区のデモ規制にもつながりかねない公園使用の基準見直しというものが2018年にありました。
その際にも区が強調していたのが出発地となる公園周辺の住民からの騒音への苦情であり、町会からの申入れがあることでした。
確かに、判例でも
「集会の自由は,多数人が集合する場所を前提とする表現活動であり,行動をともなうこともあるから,他者の権利ないし利益と矛盾・衝突する可能性が強く,それを調節するために必要不可欠な最小限度の規制を受けることは,やむを得ない」
とあります。
であれば、大きな音を出して近所迷惑だからということであれば、使用出来なくするのではなく、公園内で大きな音を出さないことを求めれば、平穏なデモの主催者であれば対応するはずです。
極力表現の自由を権力側からは守るべきという立場を取る私ですのでしつこくこの件を取り上げ続けるわけですが、一方で区のみならず、多くの国民・区民も、デモはうるさくて迷惑だ、出発地を削減するのは良いことだと感じているようにも感じます。
デモに参加して道路を歩いていると、勿論笑顔で手を振ってくれたり、親指を立てて賛意を表してくれるかたもいらっしゃるのですが、それは本当に少数で、多くの方は無関心で、その他の方は露骨に迷惑そうな顔をされたり、中指を立てられることもありますし、「お前ら頭おかしいんじゃね?」と言われたこともあります。
大変残念な状況ですが、これが現実です。
もちろん時代と共にデモのあり方も進化して行かなければいけないとも思います。お洒落で見ていてワクワクするようなあり方を模索する必要はありますね。
よって、この問題を多くの区民が関心を寄せてくれたり支持を寄せてくれることは残念ながら少ないと思われるのですが、私自身はとても大切な問題だと思いますので、粘り強く働きかけて行きたいと思います。
それでは、また明日(*゚▽゚)ノ