皆さんこんにちは、新宿区議会議員よだかれんデス。
厳しい残暑の8月最後の土曜日、いかがお過ごしですか?
昨日は新宿区議会令和2年第1回臨時会でした。
コロナ対策で、22億946万Ⅰ千円の補正予算が可決され、これで一般会計予算1千968億2453万7千円となりました。コロナ問題はこの先どうなるか分かりませんので、まだまだ膨張する可能性もあります。
例年一般会計は1500億円程度ですので、大変な事態であることはお分かりいただけると思います。
最近よく名が挙がる財政調整基金という貯金のようなもののうち、一般会計に繰入出来る部分が令和元年度末で約320億円ありましたが、今回の補正を受けて2年度末見込みで250億円になります。
他自治体に比べれば潤沢と言われ、今回のような緊急事態の折に助けられるわけで、こうした財政運営をされてきた吉住区政に敬意を表します。
採決で賛成したのですが、この中に気になる部分がありました。
教育費の、「ICTを活用した教育環境の充実」6憶4940万3千円です。
これは国が推し進めるGIGAスクール構想の前倒しでなされる都支出金です。
コロナで一斉休校が行われ、教育のICT化を求める声が大きくなっています。
賛同する部分と、危機感を抱く部分もあります。
不登校を選択した子どもたちに学びを提供する、学校に登校できないときの代替措置が取れる、離島などの遠隔地の児童生徒との交流、障害を持っている生徒の特性に合わせたフォローアップが取れる等々、ワクワク出来る面もあります。
でも、公教育の場が営利市場化されてしまうのではと身構えてしまいます。
現に、2019年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」の中で、校内LAN整備・端末一人一台について、“未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上”と紹介しています。子どものための学校なのに、そこに経済活力の維持・向上のためという視点が入ることに、私は疑問を持ちます。
世界の潮流に逆らうように導入に躍起なっているPPP/PFIのように、みんなの場所で特定の誰かに儲けさせようという政権の思惑を感じます。
また、子どもたちの健康面や学力も心配です。
タブレットそのものから生じる低周波電磁波とwifiなどの高周波電磁波の問題、ブルーライトの問題。タブレットを使わせるなという事ではなく、予防原則で取れる対策を取る必要はあります。
OECDによる学力調査で、ICT先進国の方がICT後進国よりも低い傾向にあるという事ですし、やはり大切なのは読み・書き・そろばんではないですが、紙の教科書を手にし、鉛筆でノートに文字を書くことではないでしょうか。脳の活動の研究でも、そのような報告もあります。
新宿の子どもたち・日本中の子どもたちのため、自分の感覚を信じて学びを深め、声を上げたいと思います。
それにしても、GIGAスクール構想に疑問を投げかける識者が全く見受けられないのはいったいどういう事なのでしょうか。「良さもわかるけど、こういう問題点が考えられますね」くらいは言う人がいてもおかしくないと思うのですが・・不思議です。
それではまた明日。